保育園でやるべき5つの熱中症対策

年々暑さが厳しさを増し、気づかないうちに熱中症のリスクが高まっています。特に体温調節が未熟な乳幼児は、大人よりもはるかに熱中症にかかりやすく、予防がとても重要です。
保育園で日々の保育の中に取り入れておきたい熱中症対策を、5つのポイントでまとめました。

 

1. こまめな水分補給を習慣にする

汗をかいてからでは遅いのが熱中症。特に子どもは「のどが渇いた」と自覚する前に脱水が進んでしまいます。活動の前後や屋外に出る前はもちろん、室内で過ごしている時でも定期的に水分補給を行いましょう。

ポイント:
・水やお茶をこまめに少しずつ
・10~15分ごとの声かけをルール化
・飲みたがらない子にはかわいいマイコップで気分を上げる工夫もおススメ

 

2. 気温・湿度の「見える化」でリスク管理

気温だけでなく、湿度も熱中症のリスクを左右する重要な要素。WBGT(暑さ指数)計や温湿度計を設置し、「今、どれだけ危険か」を全職員が共有できる体制を整えましょう。

ポイント:
・室内・屋外ともに計測する場所を固定
・危険レベルによって活動内容を即座に変更
・職員間で「今は外遊びを控えるべきか」の共通判断基準を設けておく

 

3. 衣服と環境で体温コントロール

子どもたちが快適に過ごせるように、通気性の良い服装を心がけ、室温管理にも注意を払いましょう。汗をかいたままの服でいると、体温が下がらず熱中症のリスクが高まります。

ポイント:
・素材は綿や吸汗速乾性の高いものを選ぶ
・着替えは多めに準備し、こまめに交換
・扇風機とエアコンを併用し、空気の流れをつくる

 

4. 活動時間・場所の見直しを

暑い時間帯の外遊びは控えめにし、早朝や夕方など涼しい時間に調整するなど、時間帯と場所の工夫も熱中症対策には不可欠です。

ポイント:
・夏場は午前9時以前か夕方以降の外遊びが理想
・直射日光の当たらない日陰での活動を増やす
・地面からの照り返し対策として、芝やマットを活用

 

5. もしもの時の「初期対応」を全職員が共有

いくら注意していても、万が一の発症に備えて迅速な対応ができるように、対応マニュアルを整備し、職員全員で共有しておくことが大切です。

ポイント:
・意識がはっきりしていれば涼しい場所で衣服をゆるめ、冷却+水分補給
・顔色・呼吸・汗の有無などを観察しながら経過を見守る
・意識がもうろうとしている、嘔吐があるなどの重症サインがあれば即救急要請

 

まとめ

熱中症への対策は、子どもたちの健康と命を守るための日常的な備えです。「ちょっと暑いけど大丈夫だろう」という油断が、取り返しのつかない事態を招くことも。
小さな変化に敏感になり、園全体で取り組む意識が何より大切です。今年の夏も、子どもたちが元気いっぱい笑顔で過ごせるよう、しっかりと備えていきましょう。