ちょっとした好き嫌いであれば他の食材で足りない栄養素を補えば問題ありませんが、偏食になってくると必要な栄養素が摂れているか心配になりますね。
できればなんでもおいしく食べてほしいというのは保護者はもちろん保育士も願っていることです。
「食べ物の好き嫌いができるメカニズム」でお伝えしたように、改善できる好き嫌いもあればどうしても食べられないというものもあります。
保育士はどのように子どもたちにアプローチしていけばよいのでしょうか。
食べ物に親近感を抱かせる
好き嫌いを克服させる方法の一つとして、苦手な食べ物に対して親近感を抱かせる活動をすることがあげられます。
保育施設で取り組んでいる食育がその一環です。
食材を育てて
自分たちで育てたトマトやナス、きゅうり、大根などは苦手な子どもたちも好き嫌いを克服するきっかけになっています。
食材をしっかり観察して
制作の時間にその食べ物をしっかり観察してお友達とその感想を伝えあったり、カットしてその断面や匂いを確認したりしていくうちに興味を持ち出すでしょう。
その子が苦手な食材の絵を描いている様子をみると、なぜ嫌いなのかが見えてくるケースもあります。
食材を調理して
クッキングで子どもたちが苦手な食材を扱うと効果もてきめんです。
自分が洗ったにんじんや、種とワタをとったピーマン、透明になるまで炒めている様子を観察した玉ねぎなど、いつもだったらお皿にのせるだけで嫌がりそうな野菜も「自分が食べられるようにしたもの」と考えると口にできるようになります。
絵本の読み聞かせをして
野菜を扱った絵本はあります。好き嫌いを克服することをテーマにした絵本もたくさんありますね。
その中でも苦手なものを克服したことによって幸せな世界が広がったお話、好きなものが増えることでいろいろな人と豊かな時間が過ごせるということが伝わるお話をなんども読み聞かせしてあげると良いでしょう。
おいしそうに食べているお友達の様子をみせる
お子さんはお友達が「これはおいしくない」と言ったものを、食べずに「嫌なもの・おいしくないもの」と認識することがあります。
同じ食材を保護者の方や保育士が「おいしいな〜」と言って食べている姿を見せるのも良いですが、同じテーブルのお友達が「おいしい」とニコニコ食べている姿をみると「おいしいのかな?食べてみようかな」という知的好奇心が刺激されます。
思い切って食べてみたら意外とおいしかったということが多いので、食べられたら「食べられたね、おいしいね」と声をかけてあげましょう。
連絡帳で保護者の方に喜びをお伝えすることも忘れずに。
もしどうしても難しい場合も、いつか食べられるようになるといいですね、と悩まずに長いスパンで見守るように保護者に伝えて気持ちを軽くすることも大切です。
好き嫌い克服法としてこちらも参考にされてみてください。