発達障がいや生来の障がいの有無、社会的な差別によるトラブルが問題視される昨今。
保育現場でも子どもたち1人ひとりの違いを認め合う、インクルーシブ(包括的)な環境を実現することが大切です。
それぞれの個性を大切にした保育の姿勢を保育士には求められるでしょう。
インクルーシブ保育とは
障がいの有無だけでなく、年齢や国籍に関わらず、すべての子どもが差別されず受け入れられる保育です。
単に同じ環境で保育・教育を受けるというわけではないところがポイントになります。
子どもたち1人ひとりの状況や個性に応じたフォローをしつつ、どの子ものびのびと成長できる環境が大切なのです。
インクルーシブ保育における保育者の役割
通常の保育と変わらず平等に接しながらも配慮が必要な子どもへの理解が必要なインクルーシブ保育において保育士はどのような役割を担うのでしょうか。
多様さを受け止める
発達の個人差や志向の多様性を認め、子どもたち1人ひとりが育ってきた環境を理解し、受け止められるよう配慮しましょう。しっかりと愛情を注ぎ、その子のそのままを認めていきます。
子どもたちはもちろん、保護者も安心して信頼できる役割となります。
平等に経験させる
多様性や個性によって合わせるのは大変ですが、可能な限り「やってみたい」という気持ちを平等に体験できるよう遊びやおもちゃを用意し、環境設定をすることが大切です。
一人ひとりの状況に合わせて幅広い経験ができるよう考慮することが保育士の役割と言えるでしょう。
自立を図る
障がいなどさまざまな個性を持つ子どもの自立を見据えた言葉がけや取り組みが必要となります。
将来社会へ参加したときに、あらゆる人と共存できるようお互いに認めながら自立に向けたベースになる役割を保育士は担います。
保護者と連携をとる
子どもたちの育ち方や置かれている環境、保護者との関係性など知るために、家庭における子どもたちの変化などを保護者と連携をとって共有する必要があります。
情報交換を円滑に行うためにも信頼関係を築くことは大切です。
インテグレーションとの違い
同じ環境で教育するということが重要視された統合教育「インテグレーション教育」は、障がいをもつ子にも特別な対応をとらずに通常学級に参加させる形です。
インクルーシブ教育も同様に受け取られがちですが、子どもたち1人ひとりのニーズに合わせた保育・教育を行うため、障がいをもつ子どもたちの個性も活かしつつ、その立場を理解し、重視していくのがインクルーシブ教育になります。
1人ひとりに合わせるために柔軟に教育プログラムを変更していくスキルも保育士に必要となってくるのです。