身体測定で座高を測っていた保護者の方はもういないかもしれませんね。
成長記録として残す意味が無いことからそういった測定はなくなりました。
では今の成長記録として園が残しているのはどういった目的のために記録しているのでしょうか。
園児情報や保護者との連絡ツールにも残される成長記録についてご紹介しましょう。
成長記録で残る情報
大手の保育ICTシステムでも「成長記録」として残されているのが基本発達情報となる「身長」「体重」「頭囲」「胸囲」。
ICTシステムの中には自動でカウプ指数を算出したり、発達・成長の推移をグラフにまとめてくれるものもあります。
カウプ指数とは大人で言う、BMI・ボディマス指数と呼ばれる、体重と身長から算出される肥満度を表すもので「やせすぎ」や「太りすぎ」がわかる指数です。
母子手帳などの成長曲線でもわかることですが、これを成長記録として残すことが大切な情報になります。
早期の病気発見
身長、体重だけで病気がわかるということはありませんが、長期的にその発達の推移をみることで内蔵に病気があるかもしれないという仮定をたてることができます。
3歳頃までの哺乳や食事量が十分でない場合は体重増加や身長の伸びが悪いこともあるでしょう。
それだけでなく、ホルモンや栄養の利用の異常、肝臓や腎臓の病気によって成長に影響がある可能性もあるのです。
また、早産や低出生体重児の場合、2〜3歳になっても成長が追いつかなければホルモン治療の対象になることもあります。
早期発見、早期治療によって思春期や成人にあったときの成長に影響がでにくいようにすることが可能です。
保護者とのコミュニケーション
上記のような病気の原因になる可能性がある場合、保護者に小児科の受診をすすめることも保育者側の仕事の一環です。
保護者はお子さんに適切な医療を受けさせる義務があります。しかし、心配しつつも日々忙しい中、元気なお子さんを病院に連れて行こうとはなかなか思わないもの。
コミュニケーションをとりながら保護者の背中を押して上げると良いでしょう。
また、月齢が低いほど保護者の方は食事に関して心配事や悩みを抱えているものです。
好き嫌いや食べる量など、きょうだいがいたとしてもお子さん一人ひとり食事量や進み具合が違うので悩みは尽かないでしょう
そんなときにICTシステムで成長記録を確認でき、成長曲線からはずれることもなく成長を確認できたら保護者の方も安心できます。
食事や発達に関しても「これができた」「こんなに大きくなっていた」と保護者とのコミュニケーションをとり、成長を一緒に喜ぶことができるでしょう。