相手を尊重しつつ自分の意見を伝える「アサーション」。
人間関係を良好にするためにさまざまな業界で注目を集めるコミュニケーションスキルのひとつです。
保育士にとって人間関係を円滑にすることは子どもたちを見守るために必要なことです。
アサーション・トレーニングなどで理解を深め、身につけることができるため保育業界でも注目されています。
アサーションとは
上記の通りコミュニケーションスキルのひとつです。
保育現場では子どもたちへの対応はもちろん、保護者への対応、保育士同士のやりとりなどあらゆるシーンでコミュニケーション能力が問われることがあります。
何かと人間関係で衝突が多い、子どもたちが言うことを聞いてくれないという不満がある方は、アサーションについて知り、そのスキルを身につけることで相手を尊重しつつ自分を犠牲にしない解決方法を導き出せるようになるでしょう。
アサーションを使ったコミュニケーションのやり方
保育補助の方に工作の準備をお願いしていたときに、準備はできていたものの細かい指示までは行き届いていなかったというケースは割とあります。
折り紙を三角に切っていてほしかったのに、四角に切られていた、クレヨンを用意してほしかったのに、絵の具が用意されていた、などです。
そんなときにはどのように対応しますか?
ストレートに保育補助の方のミスを責める方もいれば、自分がやりなおせばよいと黙って準備する方もいらっしゃるでしょう。
アサーションでのコミュニケーションは
「準備ありがとうございます。申し訳ないんだけど、実はクレヨンをお願いしていたのですが、準備してもらえますか?」
と注意するでも黙って準備するでもなく、相手にきいてみるのです。
率直な気持ちを伝える
「準備ありがとうございます。申し訳ない」と感謝と伝えづらいという気持ちを先に伝えます。
ネガティブなことは態度に出てしまいますが、「察して」もらうより「言葉にする」方が相手にモヤモヤが残らないでしょう。
先に感謝を伝えて好意的な対応をしているので、相手の話を聞く態勢がとりやすくなります。
自分の主張を伝える
落ち着いた口調で「実はクレヨンをお願いしていたのです」と自分の主張をはっきりと伝えて、相手の罪悪感を軽くします。
怒っていない、責めていないということが伝わり、自分を断罪されているわけではないとわかると相手も受け止めやすくなるのです。
具体的に要望を伝える
最後に「準備してもらえますか?」と具体的な要望を伝えつつ対応可能か相手に聞くことで相手を尊重します。
忙しい保育現場にあっていますぐ対応できない場合も考えられるからです。
もし難しくてもお互いに気持ちを伝えあって対応を決められれば良いコミュニケーションになりますね。
アサーションスキルは身につけられる
さまざまな業界で注目されているコミュニケーションスキルだからこそ、アサーション・トレーニングを行うための講座もひらかれています。
経験の積み重ねやトレーニングによってこれからスキルアップして身につけることができるのです。
セルフトレーニングもできるのでぜひチェックしてみましょう。