卵子を作る仕組みの一部が解明?制御するタンパク質が存在

子どもが欲しくてもできない夫婦は、1割程度いるとされています。あなたの周りでもそんな方がいるのではないでしょうか。
自分は保育士なので、常に子供と接していますが、子供がいるのが当たり前と思ってはいけないな、とも感じます。
子どもが生まれて育つことは、いわば奇跡なんですよね。どんな子でも意味があって特別な存在です。ついついイライラしてしまったりしますが、地球に一人の愛される存在という認識を持って接しなければ、と日々感じています。
保護者の方にもいつも「○○ちゃんは特別」と言っていいところを褒めるようにしています。親御さんも、「私が気付かない部分に保育士さんは気付いてくださる」と感謝されたりもするんですよ。大変だけどやりがいがある仕事です。保育士って!
この度、興味深い情報を入手したのでご紹介します。
(※2023年10月26日(木)朝日新聞朝刊を参考にしています)

卵子をつくる仕組みをコントロールするタンパク質

熊本大学などの研究チームは、卵子を作るしくみをコントロールするタンパク質の存在について、マウス実験で明らかにしたそうです。
これは、若いうちに閉経してしまうなど、女性の不妊の病態の解明につながる可能性があるとして、有名な科学雑誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載されました。

卵子の「減数分裂」

卵子は卵巣の中で染色体の数が半分になります。これを減数分裂と言い、かなり特殊な細胞分裂なんだとか。
哺乳類の場合は、母親のお腹にいる胎児の状態から既に減数分裂が始まっているそうです。そして、一生分の卵子が作られると言われています。

こんな実験を経てわかった複雑なメカニズム

研究チームは、マウスの体内の卵子の元になる細胞を調べました。そして、減数分裂にRBというたんぱく質が関わっていることを明らかにしたそうです。
このRBというたんぱく質に別のSTRA8というたんぱく質がくっつくのに、邪魔をする操作をすると、減数分裂が起きにくくなったのだそうです。
減数分裂を起こすには、細胞の中のDNAを増やしておく必要があります。RBはこのプロセスを抑える、いわばブレーキのような役割があるのですが、STRA8がくっつくことで一時的に解除されるようだ、ということが分かりました。
一般的にはRBが働かないと細胞が増えすぎてがんになってしまうとのこと。しかし減数分裂の時は一時的に働きを緩めることが卵子を作るのに必要だと判明しました。

不妊症の解明につながるかも?

今後、卵子がうまく作れなかったり、早くに無くなってしまったりする不妊の解明に役立つ可能性があるとされています。
妊娠中の女性の体の中のまだ胎児の状態でも、孫世代にあたる卵子ができあがっていることに驚きですね。まさに生命の神秘です。