静岡県牧之原市の川崎幼稚園で3歳の女児が登園バスに置き去りにされ、死亡した事件から9月5日で1年。全国の保育施設における送迎用バスの安全装置の整備率について、こども家庭庁が公表した調査結果が明らかになりました。
その調査結果についてご紹介しましょう。
安全装置設置義務化
2022年9月に静岡県牧之原市で発生した痛ましい事例を受けて、政府は翌月に緊急対策をまとめ、その一環として送迎用バスに対する安全装置の装備を4月1日から義務化しました。
義務化は2024年3月31日までの1年間を経過措置期間として設定されていますが、できる限り早く、6月30日までに装備するよう推奨されています。
そこで設置状況の調査をされたのが今回の結果です。
調査背景・結果
調査は、送迎用バスを運行する幼稚園、保育所、認定こども園、特別支援学校などを対象に実施され、5月22日から6月7日までの期間で、全国に存在する2万1,343施設および5万19台の送迎用バスについて回答が集められました。
調査によれば、5月15日時点で安全装置の装備が完了していたのは、全国でわずか15.6%。
しかし、6月末までに装備を完了または装備予定と回答した割合は55.1%に達しました。
なかでも、「地域型保育事業(居宅訪問型を除く)」が74.8%で最も進捗がある一方、「指定児童発達支援事業所」が42.9%と進捗が遅い傾向が見られました。
幼稚園は67.4%、保育所は67.3%、認定こども園は67.4%と、ほぼ同様の進捗率となりました。
また、都道府県によっても進捗にばらつきがあり、6月末までに装備が進んでいる率が高いのは石川県(77.9%)、山口県(77.0%)、徳島県(76.3%)、山形県(75.6%)など。
逆に、装備が進んでいない地域では滋賀県(20.3%)、大阪府(36.8%)、鳥取県(40.7%)、宮城県(40.9%)などが挙げられます。
さらに、園児数の多い都市部でも、東京都(50.6%)、神奈川県(45.6%)といった地域で全国平均を下回っていることが判明しました。
子どもたちの安全を守るために
安全装置の義務化期間は、年度内の3月31日までとなっていますが、昨年の事故では熱中症が死因として浮上し、気温の上昇に伴い熱中症の危険性が高まることが懸念されています。
そのため、早急な装備が喚起されています。
子どもたちの安全を守るため、われわれ保育士も引き続きこの重要な問題に注力し、必要な対策を講じてい必要があるでしょう。
子どもたちの安全、命を守るために必要な義務化です。
涼しくなるごとに風化されるのではなく、改めて迅速な対応が求められるでしょう。