保育士は離職者が多いというイメージが広まっていますが、実際は他の職業と比べて特別高くないことをご存知でしょうか。
保育士の離職率について多角的に考えてみましょう。
これから他の職種に転職を考えている方は一度立ち止まって考えてみませんか。
保育士よりほかの職種の方が離職率が高い?
「保育士の持ち帰り仕事と持ち帰りしごとを減らすためにできること」でもご紹介した通り、保育士の業務は持ち帰っても終わらないほど多量です。
そのため離職率が高く、他の職種に転職する方も少なくありません。
しかし、日本全体の常用労働者の離職率は15.6%、保育士の離職率は9.3%で、日本全体でみると離職率は低いのです。
医療・福祉業界(保育士を含む)の離職率は全体的に高くなく、14.4%。
宿泊業・飲食サービス業が33.6%、教育・学習支援業が17.7%、電気・ガス・熱供給・水道業が15.4%と比較すると、保育士の離職率は控えめと言えるでしょう。
なぜ保育士は離職率が高いイメージなのか
保育士の離職率は全体的に特別に高くないにもかかわらず、高いイメージがあります。
その主な理由を見ていきましょう。
待機児童問題・保育士不足の話題
待機児童や保育士不足がメディアで取り上げられることが多いため、離職率が高いという誤ったイメージが広まった可能性があります。
他業種への転職者が多い
保育士を辞める理由として、「人間関係」「給与面」「業務負担」などが挙げられるため、他の業種への転職者が多い傾向があります。
離職後の復帰が低い
退職した保育士の一部は、保育士として復職せずに専業主婦として働くなど別の道を選ぶことがあります。
これらの背景から、保育士の離職率が他の職業と比べて高く見られることがあります。
しかし、実際の離職率はそれほど高くないことがわかりました。
これから他の職種への転職を考えている保育士の方は、今の雇用条件を見直して職種ではなく職場を変えることを考えるのも良いかもしれません。
職種を変えるにしても、保育士資格を活かせるベビーシッターや、商業施設の託児所の子育て支援員などで社会貢献をすることをオススメします。
職場を選ぶポイント
できれば離職率の低い保育施設に転職したいですね。
そういった離職率の低い保育施設には定着率が高いポイントがあるのです。
求人の確認や面接・見学時に、職員の人数がゆとりある配置になっているか「職員の数」をチェックし、「福利厚生」や「ワークライフバランス」が整っているか、自分の「保育理念と合致する」かを確認しましょう。
そして大切なのはそこで働いている「保育士の表情」です。
職員同士のやりとりから良好な人間関係が築けそうかをチェックして、自分の希望や価値観に合った職場を選びましょう。